1 ある商社で最近起きた問題 (1)「人権デュー・ディリジェンス」あるいは「人権とビジネス」について このビジネスコーナーの前号(2023年11月9日第6回)で「人権デュー・ディリジェンス」ということを紹介した。ちなみに,デュー・ディリジェンス Due Diligence というのは直訳すれば「当然払うべき(適切...
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1 問題の発生根拠となった三つの要因 イスラエルのガザ侵攻を契機として,イスラエル国家建設とパレスチナ問題発生の根源的ともいうべき歴史的関連が改めて意識されるようになった。 そこには,以下述べるような三つの要因があった。このような形で整理したものは余り見かけないが,それぞれは,いずれも,私見というより,ほぼ確定した歴史...
1 “危機の時代”の経営者 先日,難民問題のTV報道番組を見ていたら,ファーストリテイリングの柳井氏が, 「企業経営者はもっと世界の難民問題に関与しなければ駄目だ」 という趣旨の発言をしておられた(必ずしも正確な表現ではないかもしれないが)。 最近,人権デューデリジェンスという言葉が多用されるようになった。私に...
1 “前夜”の意味 私たちは,何か大きな行動を起こそうとするときは,その結果を予測する。つまり,「次に何が起きるか」ということである。 その行動が世界の安全保障にストレーストにかかわるものであれば,より一層そうである。ましてや,それが大規模軍事行動=戦争であれば尚更のことである。 その際最も重要なことは,「こうす...
前号では,“同業者批判”を含んでいたので,少し抑え気味に書いた。今号ではもう少し踏み込む。 第1 エンタテイメント業界について 少なくともこの項で書くことは,私が自ら設定したスサノオ通信の本来の課題から少しはずれる。なぜなら,私は日本有数のエンタテイメント業界団体の長年にわたっての法律顧問であり,“ジャニーズ問題”...
イスラエルのネタニヤフ首相は,ハマスの今回の襲撃をもって「イスラエルの9.11」と表したという。 私は,メルマガ「淳Think」の2003年3月18日号外で 「イラク開戦前夜にあたって―ブッシュ大統領よ,なぜ父ブッシュも踏みとどまった危険な泥沼の道へと身をゆだねるのか?」 という「緊急アピール」を発表した(淳Thi...
1 私とエンタテイメント業界 私は,小さい頃から自他ともに許す“音楽・芸能音痴”である。 小さな地方都市にある私の通った市立小学校は,NHKの合唱コンクールで全国トップを争う合唱の盛んな学校であった。稀にみる優秀な音楽教師がいたからである。その教師は全校生徒を対象に選抜試験を行い男女混声のコーラスグループを編成した...
祇園精舎の鐘の音,諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色,盛者必衰の理をあらわす。 1 アミタヴ・ゴーシュ氏のインタビュー記事 「グローバルサウスとは何か」というテーマをとりあげることは,2022年12月28日スサノオ通信第9号でお約束した。そして,今号ではいよいよこのテーマについて述べるつもりであったが,ごく最近面白...
4 契約書は必ず作らなければいけないか -多くの場合契約書がなくても契約は成立するし,契約上の責任を追及出来る― 契約書を作らなければ法的に有効な取引は出来ないのであろうか。そんなことはない。但し,法律上契約の成立に一定の方式を要求するごく例外の場合を除けば―である。 契約書を取り交わさないまま,何億,何十億も...
1 再び“お詫び” このビジネスコーナーの目的は,第1回(2022年9月22日発信)で述べたように,本来, 「企業法務に携わる人,事業の上で法律問題にいつも頭を悩ませている方々や,後輩弁護士たちのみならず,一般の方々にも」 私が弁護士50年で獲得したノウハウを披露することにあった。 しかし,スサノオ通信開始から2年...
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- スサノオ通信番外編 :「錦織淳の役に役に立つビジネスコーナー」(第7回)―「人権デュー・ディリジェンス」あるいは「人権とビジネス」の行き着くところ―
- 2024年1月12日 第17号 移民国家イスラエルの不条理とパレスチナの悲劇 ―語られないイスラエル“建国後”の歴史―
- スサノオ通信番外編 :「錦織淳の役に役に立つビジネスコーナー」(第6回)―“危機の時代”の経営者―
- 2023年10月25日 第16号 「イラク開戦前夜」と「ガザ侵攻前夜」(再)―我々はなぜ同じ失敗を繰り返すのか―
- スサノオ通信番外編 :「錦織淳の役に役に立つビジネスコーナー」(第5回)―ジャニーズ事務所の記者会見はなぜ“失敗”したか(続き)-