スサノオ通信 2023年9月12日 第16号 「イラク開戦前夜」と「ガザ侵攻前夜」(再)―我々はなぜ同じ失敗を繰り返すのか― 2023年10月25日 1 “前夜”の意味 私たちは,何か大きな行動を起こそうとするときは,その結果を予測する。つまり,「次に何が起きるか」ということである。 その行動が世界の安全保障にストレーストにかかわるものであれば,より一層そうである。ましてや,それが大規模軍事行動=戦争であれば尚更のことである。 その際最も重要なことは,「こうす... 錦織 淳
スサノオ通信 2023年10月12日 号外 「イラク開戦前夜」と「ガザ侵攻前夜」 2023年10月12日 イスラエルのネタニヤフ首相は,ハマスの今回の襲撃をもって「イスラエルの9.11」と表したという。 私は,メルマガ「淳Think」の2003年3月18日号外で 「イラク開戦前夜にあたって―ブッシュ大統領よ,なぜ父ブッシュも踏みとどまった危険な泥沼の道へと身をゆだねるのか?」 という「緊急アピール」を発表した(淳Thi... 錦織 淳
スサノオ通信 2023年9月12日 第15号 文明史的転換(その4)―グローバルサウスから見た西欧近・現代史- 2023年9月12日 祇園精舎の鐘の音,諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色,盛者必衰の理をあらわす。 1 アミタヴ・ゴーシュ氏のインタビュー記事 「グローバルサウスとは何か」というテーマをとりあげることは,2022年12月28日スサノオ通信第9号でお約束した。そして,今号ではいよいよこのテーマについて述べるつもりであったが,ごく最近面白... 錦織 淳
スサノオ通信 2023年7月26日 第14号 文明史的転換(その3)―「『日本の自殺』を読み直す」を読んで―(続き) 2023年7月26日 ―祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり― 5 私の立場 ―錦織淳はなぜ“竹下政治”と闘ったのか― 「日本の自殺」で着目すべきは,前述のような“主体性論”もさることながら,1975年当時絶頂期にあった日本経済に“没落の兆候”を見てとっていたという点である。もちろん,その後日本は1980年代末期にバブル経済という更なる絶頂... 錦織 淳
スサノオ通信 2023年7月26日 第13号 文明史的転換(その3)―「『日本の自殺』を読み直す」を読んで― 2023年7月26日 ―祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり― 1 前号での予告 前号では,次号(今号のこと)では最近の月刊「文藝春秋」に載せられたある論考を基に持論を述べたいと締めくくった。 今年の正月のまだ松の内のある日,知り合いの「週刊文春」のT記者が新年の挨拶にと私の事務所をひょっこり訪ねてきてくれた(ちなみに私の今の事務所は文藝春... 錦織 淳
スサノオ通信 2023年3月2日 第12号 制度への物神崇拝を捨てよ(その4)―「小選挙区制度」から「民主主義と専制主義の“対立”,そしてグローバルサウスとは何か」まで―(続き) 2023年3月2日 1 新自由主義とは何か 前号の配信のあと,ある読者の方から「新自由主義の理解が違うのではないか」とのご返信をいただいた。新自由主義経済学の代表的存在であるハイエクの「隷属への道」などを引用しながらの貴重なご指摘であった。 私は,これを拝見し,2つの点でおことわりが必要であると感じた。 一つは,これまで私は「新自由主義」... 錦織 淳
スサノオ通信 2023年1月12日 第11号 制度への物神崇拝を捨てよ(その3)―「小選挙区制度」から「民主主義と専制主義の“対立”,そしてグローバルサウスとは何か」まで―(続き) 2023年1月12日 以下は前号(第10号)からの続きである。 ⑶ 現在の“野党再編成”論について(続) ところで,かつての(旧)民主党が「政権交代」を半ば自己目的化したことへの反省からか,現在の混迷する野党の再編成の方向付けについて,真摯に再検討すべきだという議論がないわけではない。これはまた(旧)民主党の分解以降長く続いてきた野党の混... 錦織 淳
スサノオ通信 2023年1月7日 第10号 制度への物神崇拝を捨てよ(その2)―「小選挙区制度」から「民主主義と専制主義の“対立”,そしてグローバルサウスとは何か」まで― 2023年1月7日 2 小選挙区制度導入の問題点(前号から続く) ⑴ いかなる「国家像(国家ビジョン)」=「綱領」が対立するのか 今号では小選挙区制度導入の二つ目の問題点について論じるつもりであったが,今少し第一の問題点(より大きな問題点)について述べてみたいと思う。 前号で小選挙区制度導入論者の「二大政党」論は,どのような「国家像(国家... 錦織 淳
スサノオ通信 2022年12月28日 第9号 制度への物神崇拝を捨てよ―「小選挙区制度」から「民主主義と専制主義の“対立”,そしてグローバルサウスとは何か」まで― 2022年12月28日 古い制度を壊して新しい制度を創る―すると,バラ色の未来が見える―私たちはしばしばそう思ってきた。そして制度「改革」なるものを幾度となく繰り返してきた。 実は,少年の頃の私はそうだった。中学,高校と生徒会長だった私は,様々な制度改革を試み,実現した。そうすることにより,私は何か素晴らしいことを成し遂げたような気になり,誇... 錦織 淳
スサノオ通信 2022年9月21日 第8号 ―スサノオ神話起源伝― 2022年9月21日 1 日本初之宮「須我神社」 島根県の奥出雲の入り口,大東町須賀に,日本で最初の御宮といわれる須我神社がある。 簸の川(ひのかわ)(現斐伊川)上流において八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した須佐之男命(すさのおのみこと)は,櫛稲田比売命(くしなだひめのみこと,稲田姫)とともにこの地に至り,「吾が御心清々(すがすが)し」と... 錦織 淳