1 問題の発生根拠となった三つの要因 イスラエルのガザ侵攻を契機として,イスラエル国家建設とパレスチナ問題発生の根源的ともいうべき歴史的関連が改めて意識されるようになった。 そこには,以下述べるような三つの要因があった。このような形で整理したものは余り見かけないが,それぞれは,いずれも,私見というより,ほぼ確定した歴史...
スサノオ通信
スサノオ通信の記事一覧
1 “前夜”の意味 私たちは,何か大きな行動を起こそうとするときは,その結果を予測する。つまり,「次に何が起きるか」ということである。 その行動が世界の安全保障にストレーストにかかわるものであれば,より一層そうである。ましてや,それが大規模軍事行動=戦争であれば尚更のことである。 その際最も重要なことは,「こうす...
イスラエルのネタニヤフ首相は,ハマスの今回の襲撃をもって「イスラエルの9.11」と表したという。 私は,メルマガ「淳Think」の2003年3月18日号外で 「イラク開戦前夜にあたって―ブッシュ大統領よ,なぜ父ブッシュも踏みとどまった危険な泥沼の道へと身をゆだねるのか?」 という「緊急アピール」を発表した(淳Thi...
祇園精舎の鐘の音,諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色,盛者必衰の理をあらわす。 1 アミタヴ・ゴーシュ氏のインタビュー記事 「グローバルサウスとは何か」というテーマをとりあげることは,2022年12月28日スサノオ通信第9号でお約束した。そして,今号ではいよいよこのテーマについて述べるつもりであったが,ごく最近面白...
―祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり― 5 私の立場 ―錦織淳はなぜ“竹下政治”と闘ったのか― 「日本の自殺」で着目すべきは,前述のような“主体性論”もさることながら,1975年当時絶頂期にあった日本経済に“没落の兆候”を見てとっていたという点である。もちろん,その後日本は1980年代末期にバブル経済という更なる絶頂...
―祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり― 1 前号での予告 前号では,次号(今号のこと)では最近の月刊「文藝春秋」に載せられたある論考を基に持論を述べたいと締めくくった。 今年の正月のまだ松の内のある日,知り合いの「週刊文春」のT記者が新年の挨拶にと私の事務所をひょっこり訪ねてきてくれた(ちなみに私の今の事務所は文藝春...
1 新自由主義とは何か 前号の配信のあと,ある読者の方から「新自由主義の理解が違うのではないか」とのご返信をいただいた。新自由主義経済学の代表的存在であるハイエクの「隷属への道」などを引用しながらの貴重なご指摘であった。 私は,これを拝見し,2つの点でおことわりが必要であると感じた。 一つは,これまで私は「新自由主義」...
以下は前号(第10号)からの続きである。 ⑶ 現在の“野党再編成”論について(続) ところで,かつての(旧)民主党が「政権交代」を半ば自己目的化したことへの反省からか,現在の混迷する野党の再編成の方向付けについて,真摯に再検討すべきだという議論がないわけではない。これはまた(旧)民主党の分解以降長く続いてきた野党の混...
2 小選挙区制度導入の問題点(前号から続く) ⑴ いかなる「国家像(国家ビジョン)」=「綱領」が対立するのか 今号では小選挙区制度導入の二つ目の問題点について論じるつもりであったが,今少し第一の問題点(より大きな問題点)について述べてみたいと思う。 前号で小選挙区制度導入論者の「二大政党」論は,どのような「国家像(国家...
古い制度を壊して新しい制度を創る―すると,バラ色の未来が見える―私たちはしばしばそう思ってきた。そして制度「改革」なるものを幾度となく繰り返してきた。 実は,少年の頃の私はそうだった。中学,高校と生徒会長だった私は,様々な制度改革を試み,実現した。そうすることにより,私は何か素晴らしいことを成し遂げたような気になり,誇...
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- 2023年10月25日 第16号 「イラク開戦前夜」と「ガザ侵攻前夜」(再)―我々はなぜ同じ失敗を繰り返すのか―
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