―祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり― 5 私の立場 ―錦織淳はなぜ“竹下政治”と闘ったのか― 「日本の自殺」で着目すべきは,前述のような“主体性論”もさることながら,1975年当時絶頂期にあった日本経済に“没落の兆候”を見てとっていたという点である。もちろん,その後日本は1980年代末期にバブル経済という更なる絶頂...
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―祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり― 1 前号での予告 前号では,次号(今号のこと)では最近の月刊「文藝春秋」に載せられたある論考を基に持論を述べたいと締めくくった。 今年の正月のまだ松の内のある日,知り合いの「週刊文春」のT記者が新年の挨拶にと私の事務所をひょっこり訪ねてきてくれた(ちなみに私の今の事務所は文藝春...
1 新自由主義とは何か 前号の配信のあと,ある読者の方から「新自由主義の理解が違うのではないか」とのご返信をいただいた。新自由主義経済学の代表的存在であるハイエクの「隷属への道」などを引用しながらの貴重なご指摘であった。 私は,これを拝見し,2つの点でおことわりが必要であると感じた。 一つは,これまで私は「新自由主義」...
以下は前号(第10号)からの続きである。 ⑶ 現在の“野党再編成”論について(続) ところで,かつての(旧)民主党が「政権交代」を半ば自己目的化したことへの反省からか,現在の混迷する野党の再編成の方向付けについて,真摯に再検討すべきだという議論がないわけではない。これはまた(旧)民主党の分解以降長く続いてきた野党の混...
2 小選挙区制度導入の問題点(前号から続く) ⑴ いかなる「国家像(国家ビジョン)」=「綱領」が対立するのか 今号では小選挙区制度導入の二つ目の問題点について論じるつもりであったが,今少し第一の問題点(より大きな問題点)について述べてみたいと思う。 前号で小選挙区制度導入論者の「二大政党」論は,どのような「国家像(国家...
古い制度を壊して新しい制度を創る―すると,バラ色の未来が見える―私たちはしばしばそう思ってきた。そして制度「改革」なるものを幾度となく繰り返してきた。 実は,少年の頃の私はそうだった。中学,高校と生徒会長だった私は,様々な制度改革を試み,実現した。そうすることにより,私は何か素晴らしいことを成し遂げたような気になり,誇...
1 お詫び 「淳Think改めスサノオ通信」発刊当初から「錦織淳の役に立つビジネスコーナー」を発信するとお約束しながら,いつまで待っても出てこないではないかとお叱りを受けている。 本体の方さえままにならないのに,「ビジネスコーナー」まではなかなか手が廻らないというのが本当のところである。 しかし,いつまでも“口先だけの...
1 日本初之宮「須我神社」 島根県の奥出雲の入り口,大東町須賀に,日本で最初の御宮といわれる須我神社がある。 簸の川(ひのかわ)(現斐伊川)上流において八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した須佐之男命(すさのおのみこと)は,櫛稲田比売命(くしなだひめのみこと,稲田姫)とともにこの地に至り,「吾が御心清々(すがすが)し」と...
SDGsだとか脱炭素とかいう前にやるべきことがあるのではないか 1 お詫び 弁護士業務が多忙を極めたため,この通信がしばらく途絶えてしまった。その間,ウクライナ戦争が勃発した。読者より「錦織淳の文明論はこのことにつきどのように答えるのか?」という問いかけをいただいた。もちろん,私はこの問いかけに答えなければならない。し...
1 今一度レヴィ=ストロース先生に捧げる一首を――レヴィ=ストロースの文明論―― 自分で詠んだ歌を再び解説する無粋をお許しいただきたい。前号でお送りした一首 ウィルスを 解(と)き放(はな)ちたる 人の世(よ)を花咲き乱れ 常世(とこよ)の如(ごと)く は,フランスの文化人類学者レヴィ=ストロース先生の弟子を...
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- 2023年10月25日 第16号 「イラク開戦前夜」と「ガザ侵攻前夜」(再)―我々はなぜ同じ失敗を繰り返すのか―
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